2019/07/03
お知らせ第55号:『中央区住宅マスタープラン』に関する意見書が募集中(〆切7/8)。同プランへ「建築物共同化住宅整備促進事業(ミニ優良)」導入をご賛同下さるかたは、ご署名の上、意見書提出いただければ幸いです。
月島に夏の訪れを告げる草市も間近。爽やかな夏の到来がとても楽しみです。
月島三丁目両再開発の準備組合通常総会がそれぞれ開催され、その計画の規模の大きさに驚かれているかたもおられるのではないでしょうか。
五輪選手村跡地の開発「晴海フラッグ」(分譲19棟4145戸)の令和4年(2022年)秋竣工とも相まって、超高層建築物の採算性や持続可能性につき、問題提起される報道も頻繁に目にするようになりました。例えば、①日本経済新聞社編『限界都市 あなたの街が蝕まれる』本年2月8日出版、②集英社新書 榊淳司氏著『限界のタワーマンション』本年6月22日出版、③エコノミスト『マンションの悲劇』本年6月18日号、そして④最近放送(本年5月30日)されたNHKクローズアップ現代『〝都会のマンション〟に異変!あなたはどうする?』など枚挙に暇がありません。前二者①②には当会の活動や月島の再開発問題も紹介されています。今一度、大規模な「事業計画案」を見直し、規模の妥当性について再考する時かもしれません。教室数不足からの月島第一小学校増築問題もなくすみますように。また、超高層計画案に参加したくない住民を施行区域の枠に含まれないようにする区域の変更・縮小も必要ではないでしょうか。
さて、現在、中央区ではどのように住宅供給をしていくべきかの方針となる『住宅マスタープラン』の改定作業がなされており、「中間のまとめ」に対する意見書が募集されています。(区のホームページから同プランの全文が読めます。⇒https://www.city.chuo.lg.jp/kusei/paburikku/20190514103455793.files/jutakumasutapuranmatome.pdf)「中央区の住宅及び住環境に関する基本条例」第7条に位置づけられた計画で、住み良い住宅の供給、維持・保全そして良好な住環境の形成を目指すためにとても重要です。ぜひ、住まいに対するご希望やご意見を中央区へお届け下さい。
当会は、超高層建築となる月島三丁目両再開発案に対し、まちの更新の代替案『月島の路地文化を引き継ぐ小さな再開発』を模型とともに提示して参りました。今回、私達のようなまちの更新案を後押しする施策として「建築物共同化住宅整備促進事業(ミニ優良)」を『住宅マスタープラン』に導入すべき旨の意見書を一級建築士沼野井諭先生のご指導のもと作成を致しました(下記)。ご賛同いただけますかたは、『住宅マスタープラン』への意見書として右側を切り取り、ご署名のうえ中央区にご提出いただければ幸いです。締切日当日7月8日(月)の午前中までに当会事務局(中央区月島3-30-4)にお届けいただければ、責任を持って、中央区へ提出致します。
次回第90回勉強会は、7月9日(火)午後7時から「あすなろの木」で開催致します。闊達な意見交換をして参りましょう。お気軽にご参加下さい。
記
第90回愛する月島を守る会 勉強会
日時:令和元年7月9日(火)午後7時~9時
場所:みんなの子育てひろば あすなろの木(月島三丁目30番4号)
テーマ:・月島三丁目両再開発区域に含まれないことを望む意見のとりまとめ
・まちの更新についての住民同士の話し合い開催に向けて 他
以上
*なお、7月6日(土)・7日(日)の草市当日は、あすなろの木をお借りして、月島再開発問題に関する展示を致します。こちらもお気軽に足をお運び下さい。
******意見書の内容******
中央区住宅マスタープランに関するパブリックコメント
令和元年7月8日
■氏名
住所 |
氏名 |
年齢 |
電話番号 |
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基本目標5の施策の柱の一部「地域の特性をいかしたまちづくりの推進」の具体的な取り組みとして「(1)開発の機会を捉えた住宅・住環境整備の促進」の中で、千代田区が導入している「都心共同住宅供給事業、建築物共同化住宅整備促進事業(ミニ優良)」を中央区でも導入して頂きたいというものです。
中央区では住宅用途の容積緩和の廃止を導入したばかりでありますが、国が定める「都市再生緊急整備地域」、東京都が定める「再開発等促進区」「高度利用地区」等の制度を適用した、タワーマンションによる市街地再開発事業が進んでおります。市街地再開発事業は、地権者の経済的負担は小さく済む一方で、事業期間が長期間に渡り、高齢地権者の身体的・精神的負担がとても大きいこと、超高層になるが故に日影や交通渋滞や鉄道駅の混雑等、周辺自民への影響が大きいという問題点を孕んでいるといえます。
一方、中小規模の共同建て替え事業は、再開発事業に比べて規模が小さくなるがゆえ、地域の特性(人形町・築地・佃・月島など情緒が街の価値となっているエリアの雰囲気やヒューマンスケール感)を生かしながら、街づくりを行うことができ、依然として残る未接道敷地を含む「再建築不可」のエリアにおいても、都市防災を向上する街並み更新の方法として有効と考えます。
中小規模の共同建て替え事業は、市街地再開発事業に比べて、事業期間を短く短縮でき、周辺への物理的影響を抑えられるというメリットがありますが、確保できる保留床が小さくなるため、再開発に比べて還元率が小さくなるというデメリットがあります。したがって、千代田区が導入しているような補助制度があれば、より一層、住み続け、働き続けられるまちづくりができると考えます。また、中央区が定める「街並み誘導型地区計画」とも相性がよく、市街地再開発事業や総合設計制度に比べて、地域の特性を反映できると考えます。
以上の観点から、「個別建て替え」と「市街地再開発や総合設計制度」の中間項として、「都心共同住宅供給事業、建築物共同化住宅整備促進事業(ミニ優良)」を導入する旨を、マスタープランに入れて頂きたく、お願い申し上げます。